ぼくがまだ学生だったある日の夕刻、大学から自転車で下宿に帰ると、玄関先で何かが硝子の破片のように光ったのが目に入った。手にとってみると、それは硬貨よりも小さい昆虫で、黒い楕円の体の尻を鮮緑色に明滅させている。螢を見たのはそれが初めてだった…
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